「地方出身ワイルドな秀才」と「都会派インテリメガネ君」のライバル同士が競演?――“二大辞書”・新明解国語辞典と岩波国語辞典に込められたつくり手の思いに、日々言葉に向き合いながら辞書を引き比べる校閲記者が迫るオンライン講座。3月19日(金)夜に開催します!

 

 国語辞典のつくり手が対談するオンライン講座「国語辞典は楽しい!」を3月19日(金)、毎日文化センター(東京)で開きます。受講費は3300円(税込み、1週間アーカイブ視聴可能)。発案は毎日新聞校閲センターで、司会を筆者(平山泉)が務めます。

 校閲記者たちは日々新聞の言葉に向き合う中で、しょっちゅう辞書を引いています。一つの辞書ではなく、いくつもの辞書を開いては見比べ、原稿にあるこの言葉は適切か、使い方は適切か、修正すべきか、修正するならどのようにすべきかと頭を悩ませます。「答え」は簡単に見つかるとは限りません。いくつも辞書を見る中で、正解に近いと思われるものにいきついたり、イメージがつかめて修正しようと結論づけたり、自分の思う言葉のイメージと複数の辞書が一致してほっとしたり――そんなふうに辞書とのやりとりがあるのです。

 一つ一つの項目の文は短いものです。短いのに、いや短いからこそ、そこに込められたつくり手の思いを感じずにはいられません。

 これまでも辞書のつくり手の方々から話を伺い、このサイトなどで紹介してきました。けれど、それよりも、つくり手の方々に直接語っていただけたら……。毎日新聞の校閲記者がその場を設けるべく、立ち上がりました! 立ち上がったというのは大げさですが、何しろ校閲は受け身仕事で、「仕掛ける」「打って出る」性質のものではないので、勇気の要ることなのです。

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 今回、「岩波国語辞典」と「新明解国語辞典」からそれぞれお招きすることができました。“学者芸人”のサンキュータツオさんの著書「国語辞典の遊び方」では辞書を男性キャラクターに見立てて紹介しているのですが、中でも冒頭から「都会派インテリメガネ君」岩波国語辞典と「地方出身ワイルドな秀才」新明解国語辞典をライバルとして挙げており、“二大辞書”と言ってもよい存在です。

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 新明解からは三省堂辞書出版部部長の山本康一さん。このサイトで新明解について大いに語ってくださいましたし、「大辞林」についてもインタビューさせていただきました。年末の「三省堂辞書を編む人が選ぶ今年の新語」と「国語辞典ナイト」のコラボイベントでは大辞林代表として「ぴえん」の語釈を発表したのですが、用例をかわいく「このアクセ可愛い。ぴえん」と言って会場の笑いを誘っていました。

山本康一氏 三省堂 辞書出版部部長兼国語辞書第二編集室編集長。国語辞典を中心に多くの辞事典の編集に携わり、データベース化、電子化やデジタル制作ワークフローの立ち上げにも従事。担当した辞典は『大辞林』・『20世紀世界紛争事典』・『例解小学国語辞典』他多数。

 

 岩波からは編者の一人で国立国語研究所准教授の柏野(かしの)和佳子さん。広辞苑の7版で類義語の書き分けを担当した方としてお名前を知り、同研究所のオープンハウスで初めてお会いしました。その後も紙面用に原稿を書いた際にコメントをいただいたり一緒にイベントを見に行ったりと交流していました。女子高校生・大学生の言葉もウオッチしており、楽しく解説してくださいます。

柏野和佳子氏 国立国語研究所准教授。『岩波国語辞典』第六版より、『広辞苑』は第七版の改訂に参加。 国立国語研究所ではコーパスと呼ばれる言語データベースの構築に携わり、コーパスを活用した辞書記述の方法を研究している。

 

 こんなお二人なので、「校閲としてどんな質問を投げれば……」と気負う必要はなさそうです。辞書との“なれそめ”やそれぞれの辞書のPR、お互いの辞書をどう思うかなどなど、自由に語っていただこうと思うので、どうぞお楽しみに。

【平山泉】

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