先日「LINE NEWS」の方々に毎日新聞の校閲部について説明させていただく機会がありましたが、それに際し、何人かの部員に仕事のやり方などについてアンケートをとりました。
校閲をする上で心がけていることから校閲を志望した理由まで、人によって違いが出ておもしろかったのでこちらも紹介したいと思います。
【まとめ・斎藤美紅】
校閲をする上で心がけていることは?
(入社11年目Y)
自分が訂正を出してしまうと、その日読んでくれる読者だけでなく、(形として残るため)後世の人もがっかりさせてしまうかもしれない。
新聞に載っている情報は正しいと思ってもらえるように品質を維持していきたい。
(入社6年目K)
指摘部分の伝え方で注意していることは?
伝え方次第で直せるもの、直せないものは大きく違ってくる。原稿を書いた側の気持ちを常に考えながら、こちらの帰結させたい方向をなるべく固めた上で話をしに行くようにしている。
(Y)
「○○でも△△でもこうなっていますが……」と指摘すると直ることが多い。
(K)
「○○という資料もありますが、いかがでしょうか」などと記事を尊重した言い方をする。
(入社6年目M)
個人的なルールは?
(Y)
限られた時間の中でまずは一発訂正になるもの(固有名詞の間違い、見出しの間違いなど)をチェックし、締め切りが来た後も、細かいところを調べたり大刷りを何度も読んだりして、できるだけ多くの人に「きれいな商品」を届けられるようにする。
(K)
(M)
やりがいを感じた瞬間は?
日本書記には7世紀、天智天皇が端午の節句に「走馬」を見学したという記録が残る。
日本書記→日本書紀と直そうとしたが、それよりこの記録は本当にあるのだろうかと思った。
日本書紀は今、インターネットで全文を読むことができるので、「天智」の項を調べてみた。「走馬」という言葉はない。では「走馬」の言葉が出てくるのは誰の御代だろうとコツコツ読んだ。ない。
それからどうにかして、「走馬」が「続日本紀」の「文武天皇」の御代にあることを発見。日本書紀と続日本紀の原文を筆者の元に持って行き、「余録」はこう直った。
続日本紀には8世紀初頭、文武天皇が端午の節句に「走馬」を見学したという記録が残る。
これにはやりがいを感じた。すごく頑張ったから。
(Y)
(K)
(M)