書きたかった意味はなんとなく分かるものの、どこかしっくりこない言葉遣い。

校閲者の言語感覚が違和感を訴えた「微妙に違う言葉」をいくつかご紹介します。

誰もが引っかかるところではないかもしれませんが……あなたも気になりますか?

白は「原色」か

「桃色、青、白の原色」とありますが、「原色」はいわゆる三原色(赤、青、黄)ないし、どぎつい色を指す言葉。

「白」もはっきりした色ですが、どちらにも当てはまらないので「原色」とはいえないでしょう。

不安の中で休眠を

「不安の中で休眠をとる」。ここでは「休んで眠ること」といった意味合いで書かれたのでしょう。

しかし一般的に「休眠」は、冬眠など「動植物が、ある期間ほとんど活動をやめること」(三省堂国語辞典)や「休眠状態の工場」「休眠口座」というような場合に使う言葉。ここは「休息」でよいだろう、ということになりました。

「慰み」と「慰め」

同情を禁じ得ない話が語られていますが、最後の「せめてもの慰み」はちょっと変な気がします。

辞書を引いてみると

なぐさみ【慰み】〔動詞「なぐさむ」の連用形から〕①心を楽しませること。また、その手段。気晴らし。うさばらし。たのしみ。 「 -に小鳥を飼う」 「何の-もない毎日」 「うまくいったらお-」(②以下略)

「慰み」は少し軽い感じがする言葉です。ここは「慰め」の方が適切でしょう。

なぐさめ【慰め】なぐさめること。また、その手段となるもの。 「 -の言葉もない」 「歌は心の-」 「家族が無事だったのがせめてもの-だ」

(引用はいずれも大辞林)

気にせず読む人もいるかもしれません。それでも、より正確な言葉遣いを目指し、感覚を研ぎすませて細部まで目を配っています。

9/30(金)19時~ オンラインイベントを開催

「記者時代、訂正・おわびにつながる間違いを校閲記者に助けられること数知れず」という毎日新聞人事本部の三木陽介・採用担当部長が司会を務め、校閲記者が舞台裏を語るオンラインイベントが9月30日(金)19:00〜20:30に開催されます。

チケットは一般1650円、学割550円。文章の校閲・構成に興味がある方から「毎日ことば」のファン、さらに、ことばそのものに興味がある方まで幅広くお楽しみいただける内容です。

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