去年の大雪の際、交通機関の弱さを解説した記事から。どこがおかしいか、分かりますよね。

かわいらしい電車を想像してしまう癒やし系の入力ミスです。でもこうした「濁点のあるなし」って、締め切り間際に急いで読んだりすると見逃してしまいがち。最近だとゴルフの記事で「バーティー」なんてのに気づかなかったことがあります。見つけられればほっこりする間違いでも、通してしまえば凶悪な誤りに。

間違いは1カ所とは限らない

日本政府の外交を解説する記事から。正しくは「トリニダード・トバゴ」。

この国の入力ミスでよく見かけるのは「トリニダート・トバゴ」「トリニダード・トバコ」といった、濁点が足りないパターンなのですが、今回の記者さんは相当焦って原稿を書いていたようです。

読んだ私も最初「ダ」を「ド」に直しただけで安心して、「ダ」と「ニ」がひっくり返っているのを完全に見落としていました。ああ。

フロンティアな人?

各地で活躍するボランティアを追ったルポから。

「地球最後のフロンティア」とか、「科学技術のフロンティア分野」というように、未開拓地域や最前線のことを意味する言葉なので、やっぱり人について「フロンティア」を使うのは適切ではないでしょう。まさに最先端を走っている人に対してふさわしそうな言葉だったのでさらっと読み飛ばしてしまいました。

後で読み返してみてようやく違和感を持ち、「パイオニア」と直すことに。これなら「開拓する人」という意味になりピッタリ。字面だけでなく意味にも意識を向けておかないと、なんとなく正しそうなカタカナ語に足をすくわれます。

ヒントかワナか

クロスワードパズルのヒントから。

ナスカの地上絵で有名な古代アンデス文明において栽培されていた……というわけではなくて、「ナス科」の変換ミスでした。

ちなみにこのカギの答えは「クコ(枸杞)」。お茶や薬よりも杏仁豆腐(あんにんどうふ)に乗っているあの赤い実、と言った方がぴんとくる人は多いかも。南米ではなく中国の原産です。

「カタカナ恐るべし」。見逃したりヒヤリとしたりするたびに、数年前のこの記事のタイトルが頭をよぎります。

【林弦】

 

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