校閲として、赤字直しを入れることの多い特定の言葉というのがあります。

毎日新聞の用語基準で注意喚起している表現の中でも、よく使われ、かつよく"間違える"言い回しと言えるでしょうか。

今回は、その中から、五つを選んでまとめてみました。

 

べき。

「〜べきである」という意味の表現を「べき。」と終わらせるような表記は一般によく見られますが、文法的には適切と言えず、新聞では避けています。頻出する言い方なので、毎日のようにどこかの原稿で直していると言っても過言ではありません。

 

いさめる

この言葉遣いに本来は目下から目上という立場の制約があるということを意識していない人は意外に多いのかもしれません。ほとんどの辞書が「多く」「主として」目上に対して使うと記していますが、昨今は目上から目下へも穏当な伝え方が多くなったせいで不自然な感じが薄れてきたのかな、などと想像したりもします。

 

佳境

たいていの辞書は「興味を感じさせる場面」「景色のよい所」(大辞泉第2版)といった意味しか記していませんが、大辞泉はデジタル版の最近の更新で「『年賀状仕分け佳境』のように、ある状況の頂点・最盛期をいう使い方が目立ってきている」と補説をくわえました。この用例は内容的に新聞から採ったもののようにも思えますが、毎日新聞では以下のように基準を明確にしています。

 

過半数を超える

よく考えたら確かに変なのですが、つい使ってしまう言い方の典型でしょうか。語感としては違和感が少ない上、さまざまな選挙記事でしょっちゅう出てくることもあり、わかっているはずなのに見逃してしまいそうになることもしばしば。うっかりの多い要注意表現の一つです。

 

追撃

スポーツのほか、経済関連でも企業の攻防などに絡んで原稿の段階でよく出てきます。しかし、たいていは「追い打ちをかける」という本来の意味と違う文脈で書かれるため、紙面にはほとんど残りません。実際によく使われるようになっている「優勢なほうを追い落とそうとすること」(三省堂国語辞典第7版)という語釈を加える辞書も出てきていますが、今のところ少数派です。

 

 

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